時代の流れとともに機能や仕様を変えながら進化を遂げてきた腕時計。時計市場にスマートウォッチが登場してからはさらにその流れは加速し、今では多様な機能を搭載した商品が多く販売されています。そんな中でも、変わらず根強い人気を誇り続けるアナログ時計。新しい商品が次々と登場する中、長年にわたって揺るぎない人気を集める理由はどこにあるのでしょうか?
今回は、腕時計好きの筆者がスマートウォッチではなくアナログ時計を選んで愛用している理由をご紹介します。2020年一押しのおすすめブランドもご紹介していますので、腕時計好きの方はもちろん、新しい時計の購入を検討している方は是非読んでみてください。
アナログ時計を選びたいワケ①
時代を超えて思い出を運ぶプライスレスな価値
アナログ時計がスマートウォッチやデジタル時計と大きく異なる点の1つが、そのどこか温かい見た目。新品の腕時計を手に取っても、なんだか懐かしいような、昔を思い出すような優しさがあります。
昔は腕時計といえば、学校の入学や卒業、就職などの人生の節目に大事な相手に祝福の気持ちを込めて贈るギフトの定番でした。真新しい新品の時計はもちろん、それまで自分の両親や祖父母が大事に使ってきたものを贈られることも多く、まさに思い出を託す気持ちの込もった世界で唯一の贈り物だったのです。
プレゼントとしてはもちろんのこと、腕時計は長く着けるものだからこそ、多くの時間を共に過ごし多くの思い出を共有する愛着の湧くアイテム。
個人的な話をすると、僕はアナログの腕時計を見ると自分の父が思い浮かびます。僕がまだ小さかった頃、普段は仕事柄腕時計を着けることは少なかった父ですが、休日になるとお気に入りの腕時計を着け、僕たち兄弟を色々なところへ連れて行ってくれました。たまの休日で疲れていたかもしれないのに、毎週のように僕ら子どもたちのために時間を作ってくれた、そんな父の優しさと楽しい思い出が、ふと蘇るのです。
腕時計が現在の形を確立したのは今からおよそ100年前。昔から形を変えずに私たちの生活に何十年と寄り添ってきたアナログ腕時計だからこそ、持っているだけで心の落ち着く、思い出がふと蘇るような特別感があります。
アナログ時計を選びたいワケ②
視覚的に見る「時間」が作り出す、より生産的な毎日
アナログ時計を愛用していて気付いた大きな利点の1つが、より効率的に作業に取り組めるようになったこと。文字盤上の針の位置や、時間が1秒ずつ先に進んでいく動きを目で見て理解していくうちに、無意識に「時間」というものの捉え方が変化していることに気が付いたのです。
アナログ時計で見る時間は、スマートウォッチの文字盤や携帯電話の画面で見る単なる4桁の数字とは全く異なる印象があります。「18:00」と表示された画面を見てもその時点での時刻が分かりますが、時計の針が午後6時を指していることを視覚的に見ると、さらに今が1日の中でどの時間帯にあり、あとどれくらいで午後7時になるのか、今日にはあと何時間残っているのか、などより多くの情報を一度に手に入れることができます。そうすることで時間をより明確に意識できるようになり、やろうと思っていることをより積極的に、そしてより効率的にこなすことができるのです。
もちろんこれは僕の個人的な経験ですが、タスクをより効果的に進めたいと考えている人は、この機会にアナログ時計を試してみるのも良いかもしれません。
アナログ時計を選びたいワケ③
なんと言っても格好良い!クラシックでお洒落な大人の時計
スマートウォッチやデジタル時計は、その近未来的なデザインも人気の理由ですが、アナログ時計のファンが愛するのはその品格の漂う落ち着いた見た目。時代や流行にとらわれない奥の深いデザインで、時計が動き続ける限り半永久的に使い続けることができます。
最近ではアナログ時計でも独創的なデザインのものも増え、幅広いバリエーションの商品が販売されています。王道の白文字盤に時針、分針、秒針が付いたシンプルなものを選ぶもよし、ストップウォッチなどの機能が搭載された存在感の強いクロノグラフタイプを選ぶのもよし。自分の好みや洋服のテイスト、ライフスタイルに合わせて自分だけのお気に入りを見つけましょう。
また、アナログ時計はデジタルの時計と比べて壊れにくいのも魅力の1つ。同じ腕時計を長く大切に使い続けたい人にもおすすめです。
今手に入れたい北欧生まれのアナログ腕時計「Nordgreen」
新しくアナログ時計の購入を検討している方に是非おすすめしたいのが、最近腕時計ファンの間で話題のデンマークのブランド「Nordgreen(ノードグリーン)」。老若男女を問わず使いやすいシンプルなデザインで、クラシックさとモダンさを兼ね備えた2020年一押しの腕時計ブランドです。
デザイン性と機能美を併せ持つ「Pioneer」
筆者が愛用しているのはPioneer(パイオニア)というモデル。クロノグラフウォッチに42mmの大きめの文字盤とありながら、そのミニマルなデザインが洗練されたクリアな雰囲気を醸し出し、休日用としてはもちろん仕事場でもスーツと合わせて愛用しています。
Pioneerは、2020年4月に世界3大デザイン賞の1つであるレッド・ドット・デザイン賞を受賞し、Nordgreenのコレクションの中でも今最も勢いのあるモデル。機能性は十分に、限りなく無駄なものが削ぎ落とされたシンプルなデザインが、クロノグラフウォッチの概念を変えるような革新的な一品です。
また、2020年10月にはリンクブレスストラップが新登場。きっちりとしたフォーマルな印象が強いストラップなので、Pioneerとの相性も良さそうです。Nordgreenの腕時計は全てストラップの交換が可能なので、この機会に新しいストラップを買い足して、シーンに合わせて付け替えながら色々なストラップを楽しんでみようかと思っています。
「Philosopher」で大切な人とのお揃いにも
現在使っている時計を購入する前にもう1つ迷っていたのが、英語で”哲学者”を意味する「Philosopher(フィロソファ)」というモデル。こちらは、立体的な文字盤の構造が美しい、Nordgreenのコレクションの中でもファンの多い人気モデルです。
リンクブレスストラップと同時期に新色のブラックダイヤルが登場し、より多くのサイズやカラーバリエーションから自分の好きな組み合わせを選択できるようになった同モデル。自分用としてはもちろん、性別を問わず誰にでも使いやすそうなナチュラルなデザインがお洒落で、恋人や夫婦でペアウォッチとして愛用している人も多いそうです。
シンプルなデザインながらも、日付表示機能が付いていたりと機能面でも満足できる一品なので、ビジネス用の時計としても活躍してくれることでしょう。都会的でスタイリッシュなデザインのPhilosopherが、大人のコーディネートを完成させる存在になってくれること間違いありません。
やっぱり時計はアナログが最高!
いくら電子書籍が浸透しようと紙の本を好んで読み続ける人が多いように、腕時計もまた、多くの人がこだわりを持ってアナログのものを使い続けています。昔から形を変えずに愛されるものには、それだけの理由があるもの。持っているだけでなんだか落ち着く、そんなアナログ腕時計を手に入れてみませんか?