怪我をしたときに付ける絆創膏、あなたはその色をどう表現しますか?我々が長い間「肌色」として親しんできた色は、果たして本当に「肌色」なのでしょうか?
過去100年以上にわたり、「ニュートラル」と見なされるほぼ1つの色合いで作られてきた絆創膏。近年、実に100年以上の時を経てその流れにようやく変化が訪れています。
2018年にIntisar Mahdiと彼女の夫であるRashidにより設立されたBrowndagesは、有色人種である彼ら夫婦の、家族の生活をより良いものにしたいという思いから生まれました。「それまでに使っていた絆創膏は、私たち家族の肌の色とは一致していませんでした。」オハイオ州コロンバスに暮らすIntisarはそう語ります。
それだけでなく、夫婦は子供向けの絆創膏の開発も始めます。それまで、彼らの3人の子供たちは、プリンセスやスーパーヒーローの絵が描かれたカラフルな絆創膏を欲しがりましたが、その絵の中のキャラクターは、どれも子供たちとは似つかない肌の色をしていました。
”どんな肌の色をしていても、好きなものになれる”、そんなメッセージを伝えたいと感じた夫婦は、彼らの子供たちと同じ肌の色を持ったプリンセスやスーパーヒーロー、シェフ、獣医、宇宙飛行士、バレリーナ…色々な絵が付いた絆創膏を作ることに決めました。
そんな両親の姿を見て、3人の子供たちは料理や芸術、医学の道など具体的に将来への関心を持ち始めただけでなく、「私もこれができる」と自分の可能性を信じる心を持つようになったと言います。
絆創膏に限らず、マイノリティや有色人種の人々は未だに自分たちの肌の色や人種に合った商品を探すのに苦労している現実があります。自分にとっての「普通」が他の人の「普通」とは限らないという当たり前の事実を改めて見直したいものです。