世界一幸せな国の1つとして知られるデンマーク。国連が2012年から発表している「世界幸福度ランキング」では、2020年現在まで毎年トップ3圏内に君臨しています。この記事では、デンマークがエコ先進国として知られる由縁とその実情を、衣・食・住のカテゴリーに分けてご紹介していきます。1人1人が今日からの生活に役立てられるアイデアや取り組みをご紹介していますので、是非読んでみてください。
衣・食・住の「衣」
”長く使える良いもの”を。
デザイン大国として知られるデンマークは、街行く人を見てもお洒落な人ばかり。1つ1つのアイテムにこだわりを持ってコーディネートしていることが伺えます。デンマーク人が大事にしているのは、「良いものを長く愛用する」こと。安いものを買って壊れたら何度も新しいものを買い直すのではなく、値段が少し高くても品質の良いものを購入して1つのアイテムを長く使用します。お洒落なデンマーク人ですが、常に流行の最先端を行くファッションを求めるというよりは、流行や時代に関係なく長く着られる洋服や小物を好む人が多いのも特徴です。
使わなくなったものには第2の人生を。
ものを大事にする精神は、着なくなった洋服との付き合い方にも反映されています。使わなくなったアイテムや着なくなった服は、寄付やリサイクル、フリーマーケットで新しい持ち主へと渡ります。
ファッションに取り入れたいサステナブルな選択
新品の商品を購入する場合も、やはりエコでサステナブルなものが好まれます。近年特に注目を集めているのが、デンマーク人の地球や環境を思いやる精神が反映された腕時計ブランド「Nordgreen(ノードグリーン)」。北欧らしいシンプルで美しいデザインと、商品購入代金の一部を発展途上国に寄付できるユニークな取り組みが注目を集め、デンマークやヨーロッパではもちろん、日本でも人気が高まっています。
サステナブルな腕時計「Nordgreen(ノードグリーン)」の魅力とは?
2017年にデンマークの首都コペンハーゲンで創設されたNordgreen。「北欧(Nord)」と「自然(Green)」を意味するブランド名の通り、ナチュラルに生活に寄り添うサステナブルブランドとして、北欧デザインファンやお洒落に敏感な若者だけでなく、サステナビリティに関心のある人々の間でも人気を集めています。
サステナブルブランドNordgreenの特徴①
北欧のミニマリズムを体現するシンプルで長く使えるデザイン
Nordgreenのデザイナーを努めるのは、これまでに音響ブランド「Bang &Olufsen」や老舗家具ブランド「cappellini」など数々の世界的ブランドを手掛けてきたデザイナーのヤコブ・ワグナー氏。彼が生み出すNordgreenの腕時計は、一見スタイリッシュで洗練された見た目でありながら、同時に自然と調和するナチュラル感や温かみが感じられる優しさがあります。飽きのこないシンプルなデザインは、1つ持っておくときっと重宝するでしょう。
サステナブルブランドNordgreenの特徴②
製品にリサイクル素材を使用
製造の過程では、商品本体やパッケージに積極的に廃プラスチックなどのリサイクル素材を採用。また、コペンハーゲンにある本社ではゼロ・ウェイスト(ゴミをゼロにする)に取り組んでいたり、オフィスに多くの植物を置くことで、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量をプラスマイナスゼロの状態にすること)を目指しているそうです。
サステナブルブランドNordgreenの特徴③
未来へつながる社会貢献プログラム
Nordgreenをより素敵なブランドにするサステナブルな取り組みが、独自の社会貢献プログラム。商品購入後、プログラム専用ページで腕時計のシリアルナンバーと商品に同封される個人番号を入力することで、「健康・衛生」「教育」「環境」の3分野の支援を行うNGO団体から1つを選択し、商品代金の一部を寄付に充てることができます。詳しくは、是非こちらの専用ページからチェックしてみてください。
”腕時計”と”サステナビリティ”という、一見全く異なる2つのジャンルを上手く組み合わせ、環境に優しい取り組みを続けているNordgreen。次の腕時計は是非同ブランドから選んでみてはいかがでしょうか?
衣・食・住の「食」
食料品廃棄ゼロを目指す取り組み
毎年食品ロスとして廃棄される食品の量は、世界の食料生産量の3分の1に相当する約13億トンにも上ると言われています。少しでも食料品の廃棄を減らそうと、世界中で様々な取り組みが行われていますが、デンマークの取り組みで有名なのが、2016年2月にオープンした世界初の”賞味期限切れスーパー” 「Wefood(ウィーフード)」。現在デンマーク国内に5店舗を展開するWefoodは、その名の通り賞味期限切れや賞味期限間近の食品のほかに、形の悪い野菜や果物、パッケージに傷のあるものなどを割引価格で販売しています。その他、店舗で働くスタッフは全員無給のボランティア、商品の売り上げは食品ロス対策の支援に充てられています。
また最近では、飲食店の売れ残り商品やスーパーマーケットの賞味期限間近の商品を割引価格で購入できる「Too Good To Go(トゥー グッド トゥ ゴー)」などのアプリも、その手軽さから人気を集めています。
リサイクルを促進する工夫
日本でも多くのスーパーマーケットで見られるリサイクル用の回収ボックス。お店によってはポイントと交換できる仕組みもあり、活用したことのある人も多いのではないでしょうか?デンマークにも同じような仕組みがあり、ほとんどのスーパーマーケットにはリサイクル用のボックスが用意されています。
デンマークでは飲料用の缶や瓶、ペットボトルは有料で、商品代金にあらかじめ容器の値段が含まれているのが一般的です。有料の容器にはリサイクルのマークが付いていて、スーパーマーケットの回収ボックスに返却することで、容器の料金分の買い物券を受け取ることができます。有料ということもあり、容器の返却率はとても高く、道にポイ捨てする人もほとんどいません。思わずリサイクルしたくなる、そんな工夫が素敵ですよね。
衣・食・住の「住」
国を挙げて推奨する自転車移動
デンマークは、世界的に見ても自転車移動を行う人の割合が多い国の1つ。多くの人が自転車や公共交通機関で移動するため、朝夕のラッシュ時でも車の渋滞はほとんど見られません。道路に自転車専用レーンが設備されているのはもちろん、自転車利用者が使用する手信号は広く浸透していて、自動車、自転車、徒歩の人がそれぞれ気持ちよく移動できる環境が作られています。
地球に優しい選択であるだけでなく、新型コロナウイルスにより公共交通機関の使用が推奨されなくなった今、自転車通勤・通学を始めるのにはぴったりのタイミングです。この機会にエコで健康的な自転車移動を始めてみてはいかがですか?
自分が出来る身近なことから始めよう
今回は、「衣・食・住」のジャンルに分けてデンマークのサステナブルな取り組みや商品をご紹介しました。私たちが日常の中で何気なく行う小さな選択は、やがて大きな変化へとつながります。新しい腕時計を買うとき、今晩のメニューを立てるとき、職場や学校に移動するとき…少しだけ地球のことを考えてから行動してみませんか?