さて、今の時計市場で3万円以下の最高品質の時計を見つけることは本当に可能なのでしょうか?
20年前なら、それはほぼ不可能だったくらい非常に困難なことでした。
しかし、過去数十年の間に見られた生産コストの低下と急速な技術進歩により、今では1万5000円以下で非常に高品質でシンプルな時計を製造することが可能になっています(高度な複雑機構はないと仮定して)。
その結果、セイコーのリドラフトやタイメックスのフェアフィールドなど、多くの高級時計が3万円以下で購入できるようになり、しかも時計メーカーには十分なマージンが残されているのです。
実際、多くの時計の専門家たちが揃って言うのが、3万円以下の高品質の時計は時々10倍の価格で販売する “贅沢 “よりも、はるかに優れた信頼性と精度を提供することを教えてくれ、その時計たちはマーケティングの代わりに純粋な機能性に予算を費やしている、とのこと。
また最近では、スイスの専門家のレビューによると、2万円から最高級の「316Lステンレススチール」-ロレックスを代表するサブマリーナに使われているのと同じ高級素材-で作られた時計が16倍の価格で販売されていることがわかりました…。
つまり、F1イベントのスポンサーになったり、ハリウッドのスターをアンバサダーに起用したりといった、表向きの派手なマーケティングをしない会社を探せば、ハイブランド時計の数分の一の値段で、見た目も中身も非常に高い時計が手に入るということになります。
これこそ、私たちが時計業界の「隠れた名品」と呼ぶものです。卓越したクラフツマンシップの作品が、極めて競争力のある価格で販売されているのです。