品質と値段が比例すると考える消費者が多い中、品質の優れた“高級腕時計は”1本100万円以上すると考える時計ユーザーがいるのは当たり前のこと。しかし高い腕時計は果たして本当に高品質なのでしょうか?
PS:記事の最後に、人気ブランド腕時計のクリスマススペシャル特典もご紹介しています。どうぞお見逃しなく!
実は高価な腕時計は、実際の価格の10倍〜20倍の値段がつけられていることがよくあります。例えば、数万円でつくられている腕時計が、店頭価格50万円で販売されていることもあるのです。しかし何故、そこまで高く売る必要があるのでしょうか?もちろん高品質で高価な素材を使っている高級腕時計は、その分値段が高くなる場合もあります。しかし実際のところ高価な時計は広告やスポンサーに多額の投資をしているため、どうしても価格にそれらの費用を上乗せした値段で市場に出回ってしまうのです。
高級腕時計や宝飾品を取り扱っているニューヨークのアーロンファーベルギャラリー(Aaron Faber Gallery)の創設者の一人エドワードファーベル(Edward Faber)は、腕時計の価格のほとんどは広告費が占めていると語っています。
「カルティエ、ロレックス、パテック フィリップなどの有名な高級腕時計ブランドは、他の腕時計ブランドよりもマーケティングと広告宣伝費に莫大な投資をしている。彼らは自社の商品は他社とは別格であると宣伝し、簡単に手に入らないようにすることで自社ブランドの商品価値を高めてきたのである」(2019年12月2日のHUFFPOSTの記事より一部を抜粋・編集)
つまり腕時計の「適正価格」は必ずしも時計自体のクオリティとイコールではないというわけです。各ブランドがマーケティングや広告費でブランドの価値を高めたぶん、時計の値段は吊り上がります。言い換えれば、3万円以下の時計の中にも50万円以上する時計の品質を持つものがある、ということになります。
それでは、純粋に時計のクオリティのみを追求した“本当に価値のある時計”はどうすれば見つかるのでしょうか。
次にリーズナブルな価格で高品質な腕時計のポイントをみていきましょう。
20年前、良い腕時計にはそれなりの値段がつきました。一方、先にも述べたように、現代では3万円以下で高品質な腕時計が手に入るようになりました。実際、ここ数年の技術力の進歩により製造コストが抑えられ、より簡素なデザインの腕時計であれば、2万円以下でも上質な時計を購入出来るようになりました。
例えばセイコーリクラフト(SEIKO Recraft)やタイメックスフェアフィールド(TIMEX Fairfield)は3万円以下で購入でき、ブランド自体もその価格帯で十分な利益を出しています。また、3万円以下の優れた時計の中には、10倍以上の値段がする「高級腕時計」より上質なものもあると断言する時計のスペシャリストもいます。 その様な時計ブランドは自社ブランディングより腕時計本来の品質を追求することに時間を費やしています。
近年、スイスの時計専門家のレビュー記事では、2万円以下の腕時計でも一本90万円以上するロレックスのサブマリーナ(ROLEX Submariner)と同じ高品質な316Lステンレススチール(ステンレス鋼)を素材に使用していると掲載されています。
つまりリーズナブルな腕時計ブランドであっても、F1ドライバーやハリウッドスターを起用し豪華できらびやかなプロモーションを打ちだしている高級腕時計と同じように高性能で高品質なものはあるというわけです。
これが「コスパ最強の珠玉の1本」が手に入る理由です。
それでは皆さんは3万円以内で購入できる“高品質な腕時計”を見分けるために、どこを見ればいいと思いますか?それは時計の素材やデザインを見れば分かります。そんなの当たり前と思われる方もいるかもしれませんが、普段から時計の素材やデザインを細かく見ている時計ユーザーは実はそんなに多くはありません。
ここではリーズナブルな値段でハイクオリティな腕時計のポイントを3つにまとめました。上質な時計は身につけるほどに愛着が湧き、最高のパートナーになってくれます。腕時計選びに後悔しないため、ぜひ参考にしてください。
時計の駆動装置とも呼ばれるムーブメント(Movement)が上質な時計選びには欠かせないポイントになります。腕時計は大きく分けるとクォーツ式と機械式腕時計に分類されますが、上質なクォーツ式のムーブメントは、ほとんど時間の狂いがなく正確な時を刻みます。
時計業界の中で日本製とスイス製のムーブメントは特に高品質なムーブメントとして知られています。例えば日本製のムーブメントで有名なミヨタ(MIYOTA)。ミヨタのムーブメントは日本の時計ブランドのみならず海外の時計にも多く使われる腕時計業界では有名なブランドです。ムーブメントの中のクォーツが一秒間に約32,768回振動し、その振動が電気信号に変換されてステップモーターに伝わり、時計の針を動かします。この繊細な運動をMIYOTAのムーブメントは精密に行います。精巧なムーブメントは月差±15秒程度のズレしか生じないと言われています。ミヨタのムーブメントも月差がほとんどなく、クォーツ式腕時計の中でも精度の高いムーブメントと言われています。もう一つはスイスのロンダ(RONDA)。中でもシリーズ5ムーブメントは品質の高さに定評があります。現在ミヨタのムーブメントを搭載している2万円前後の時計は、市場に多く出回っています。精巧につくられているムーブメントは時間を正確に刻むだけでなく、耐久性にも優れています。時間のズレを心配することなくいつまでも一つの時計を使い続けるなら、ムーブメントのブランドが時計選びの決め手の1つとなるでしょう。
時計のデザインの高さやルックスも品質を決める重要なポイントになります。上質な腕時計はシンプルに見えて緻密、ケースやリューズなど細かいパーツ一つひとつに他のブランドとは違った特徴が見られます。例えば上質な時計はリューズのデザインや秒針ひとつを見てもユニークです。手に取っただけでそのブランドの時計職人やデザイナーの哲学、想いが投影されているのが分かります。言い換えれば上質な時計は身につけるだけで“個性”を表現できるオリジナリティーが随所に散りばめられているのです。
反対にただ安価なだけの時計はこだわりや特徴が見られません。リューズや秒針のデザインは平凡でケースの色や形もありふれたデザインになっています。残念なことにただ安いだけで、オリジナリティをそこから感じとることができません。せっかく時計を購入するなら細部のデザインまで職人のこだわりを堪能したいものです。自分だけの時計を選ぶなら、ディテールのチェックをすることをおすすめします。
最後に素材も時計のクオリティのポイントになります。例えばほとんどの腕時計にはステンレスが使われていますが、その中でも316Lステンレススチール(ステンレス鋼)は錆びにくく、腐食や酸化、熱にも強いとされています。また高硬度で傷がつきにくく耐久性にも優れています。316Lステンレススチールは別名「サージカルステンレス」と呼ばれ、医療用具などにも使われている安全な素材です。レザーストラップであれば、本革、中でも耐久性に優れ肌触りのいい「ジェニュイン・レザー(genuine leather)」を選ぶようにしましょう。
ここからは3万円以下で購入できる厳選メンズウォッチをランキング形式でご紹介します。このランキングは有名なウォッチメーカーや腕時計デザイナーなど時計業界に長く携わっているプロの意見を参考に、時計の品質、価格帯、精巧さ、顧客満足度など様々な角度から徹底検証しています。お手ごろ価格で高品質な珠玉の1本をお探しの方はぜひ参考にしてください。
ここからは時計のプロのアドバイスやインターネット上のカスタマーレビューをもとに、時計ユーザーを魅了しつづける3万円以下の腕時計TOP5をご紹介します。
デンマークの腕時計ブランド、ノードグリーン(Nordgreen)のフィロソファ(Philosopher)は北欧のミニマリズムを極めた逸品。ノードグリーンの腕時計を手掛けるヤコブ・ワグナー(Jakob Wagner)は、世界でも有名なプロダクトデザイナーです。ワグナー氏はこれまでBang & Olufsen、Hay、Capelliniをはじめ、世界の有名ブランドのデザインに携わってきました。またワグナー氏は世界三大デザイン賞として名高い「iFデザイン賞」を5回受賞しています。
そんなワグナー氏が手掛けるフィロソファはミニマリズムを基調とし、シンプルを追求した審美的なデザインが魅力。高級腕時計と比べても遜色のない高性能なつくりで、身につけると細部にまで職人のこだわりが感じられます。リーズナブルな価格帯でありながら品質に対する一切の妥協がなく、各パーツには高品質な素材のみが使用されています。例えば、ムーブメントは日本製のミヨタが採用され、40㎜のケース素材には丁寧に研磨された316Lステンレススチールが使われています。さらにケースの横に配置されている特徴的なリューズは非常に機能的。つまみやすいように細かく起伏が刻まれています。リューズの中央にブランドロゴがあしらわれているのも特徴的です。この様なディテールへのこだわりが各部に見られるこのモデルは、高価格モデルと同じような“高級感”を堪能できます。
このモデルの一番の特徴は、滑らかに時を刻むソード型の非対称な秒針です。先端に行くにつれて細くなる秒針には「自ら未来を切り開く」という意味が込められています。
またフィロソファは“過去から学び、より良い未来を創造する”をコンセプトにデザインされています。この様な“哲学”が至る所に盛り込まれたフィロソファは、2万円〜3万円となっています。この価格帯で高級腕時計と比べても決して引けを取らない品質は、同価格の腕時計の中でも「傑作」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
ノーグリーンの関係者によると、この北欧腕時計ブランドは、マーケティングコストを削減することで高級腕時計に備わっている高性能な機能すべてをこのモデルに落とし込んでいるといいます。余計な部分は削ぎ落とし、時計に必要な本質のみを最大限に追求する、北欧のミニマリズムをここでも感じることができます。
同社は社会貢献プログラムと称して2017年の創設以来「衛生・健康」「教育」「環境」の3つの観点から支援が必要な人々や地域へ精力的な慈善活動を行っています。ノードグリーンの時計購入代金の一部は上記3つのプログラムに関連する世界各国のNGOをとおして、支援が必要な人々や地域へ送られます。「衛生・健康」では2か月分の清潔な水を1人分、中央アフリカへ提供することができます。また、「教育」ではインドの子ども一人に対して1か月間の教育支援を、「環境」では中南米の熱帯雨林約200平方フィート(約19平方メートル)の保護に貢献することができます。この支援金は時計の購入金額に含まれていて、購入者は時計の裏面に刻まれているシリアルナンバーにより、どこのNGOへ寄付したかが分かる仕組みになっています。
つまりノードグリーンの時計はデザインや品質だけでなく、ユーザーがその時計を身につけることで地域社会や環境に貢献しているアイコンになるというわけです。現在、ここまでサステナブルな活動を行っている腕時計ブランドはそれほど多くありません。社会や環境問題に目を向け、今後の私たちの生活をより良くしていこうという試みは、近年のファッション業界で見られるようになりました。ノードグリーンがいち早くそれを実践し成果をあげていることも、今回の評価につながりました。
さらに顧客からの評価も高く、総合評価サイトTrustpilotには3,000件以上のレビューがよせられ、5段階のうち4.8を獲得していることも大きなポイントになっています。
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セイコーのメンズ腕時計でも手ごろな値段で人気の自動巻き腕時計SEIKO5オートマチックステンレススチール(SEIKO 5 Automatic Stainless Steel)。シンプルでエレガント、クラシカルなルックスで幅広い年代の男性に人気のドレスウォッチです。通常、自動巻きタイプの腕時計は内部構造が複雑なため値段が高くなってしまうのに対し、このモデルは1万円〜3万円台と手ごろな価格帯であるのも魅力の一つでしょう。同モデルは自動巻きの機械式腕時計。精密な日本製の自動巻きムーブメントが搭載されています。自動巻き腕時計は腕の動きで自動的にゼンマイが巻き上がり、そのゼンマイのほどける力を利用して時計が動きます。日常的に身につけていないと時計自体が止まってしまうため注意が必要です。
文字盤の上にはスタイリッシュな時針、分針、秒針そして3時の方向に日付表示が配置されています。視認性が高く、実用性にも優れたこのモデルは、男性には嬉しい一本といえるでしょう。風防素材にはミネラルガラスが使用されています。丁寧に研磨されたステンレススチールのブレスレットタイプのベルトを採用。30m防水と高い防水性を誇ります。
知的で男性的な印象を与えてくれるこのモデルは、メンズカジュアルウォッチの代表格ともいえます。ただ、この価格帯の時計としては時計自体が小さく、特に腕の太い男性だとサイズに違和感を覚えるかもしれません。
クォーツ式と違い自動巻きの機械式腕時計は腕の動きでゼンマイが巻き上がるため、常に時計を身につけるか、時計を動かしてあげる必要があります。また構造が繊細なため取り扱いには注意する必要があります。さらにムーブメントは値段相当の品質です。高価な自動巻き腕時計の中では比較的手ごろな値段で購入できるため、それらの点を考慮して購入するユーザーが多いようです。
最後に、風防素材に使われているミネラルガラスに小キズが入り、トップケースを交換したユーザーがいる点も気になります。衝撃や鍵などによる傷には細心の注意を払う必要があります。
しかしリーズナブルな価格で機械式腕時計の購入を考えている方には、SEIKOは安心のジャパンブランドといえるでしょう。
タイメックス(TIMEX)は高品質でリーズナブルな時計をつくり続けているアメリカの老舗腕時計ブランドです。長年にわたり築き上げた老舗ブランドとしての実績は本物。近年台頭してきた中国マーケットのカジュアルウォッチにより大部分のマーケットシェアを失うことになっても、シンプルで優れた腕時計ブランドとして信頼を失うことはないでしょう。
タイメックスのウィークエンダー(Weekender)は、数あるタイメックスシリーズの中でもアイコン的モデル。カジュアルなルックスで普段使いやジャケットスタイルのオフィスのコーディネートに最適です。
ポリッシュ仕上げの頑丈なシルバーケースと大きなアラビア数字が配置されているマットな文字盤が特徴的。視認性、実用性に優れた一本です。また、値段も1万円前後と非常にリーズナブルです。このモデルと同じクオリティで同等の価格を設定しようとしても難しいでしょう。もちろん高性能な腕時計とこのモデルを比較することはできませんが、同価格の時計と比べても、文字盤の優美さなどは抜きんでています。随所にみられる技術は、ユーザーも大満足の仕上がりになっています。
ウィークエンダーは精巧につくられており、どんなシーンにもフィットする汎用性の高いモデルです。一方でデザインが無難なので、個性的なファッションを好むユーザーは物足りなく感じるかもしれません。風防素材に使用されているミネラルガラスは傷つきやすいのが残念なポイント。フォーマルなドレスウォッチとは違い、ウィークエンダーの様なカジュアルな腕時計はアウトドアなどで身につける機会が多いでしょう。そんな時はトップケースに傷が付かないように細心の注意を払う必要があります。
またタイメックス自体、他のモデルと比べて秒針の音が大きいと言われています。外出先や音が気にならない場所であれば問題はありませんが、静かな教室や時計の音を気にする人の近くでは身につけない方がいいかもしれません。デザインがシンプルすぎるので個性的な腕時計を求めている人は物足りなく感じるかもしれません。しかしこの価格帯で適度なカジュアル感を求めるなら最適な1本でしょう。
スカーゲン(SKAGEN)から発売されているライルのシルバートーン(RYLE Silver-Tone)はエレガントなモデル。2針のシンプルな文字盤がスマートな印象を与えてくれます。文字盤には時針、分針そしてローマ数字をあしらったインデックスを配置。レクタンギュラーのケースが時計全体をバランスよくまとめて非常に特徴的なルックスに仕上がっています。
フォーマル、カジュアル、オフィススタイルなど様々なシーンにフィットする汎用性の高いデザインで幅広い年代の方に人気のモデル。厳選された上質な素材が使われているのに1万円台からと値段が手ごろです。手元のフィット感が抜群でユーザー満足度が高い逸品です。
残念な点はリューズのデザインが平凡で個性が感じられないこと。このモデル自体、レクタンギュラーケースやローマ数字など、他のカジュアルウォッチではなかなか見られない個性が魅力的なぶん、簡素なリューズにはもの足りなさを感じます。また時計に使われているステンレスの種類が明記されていません。時計の素材に使われるステンレススチールは通常、何種類かに分類されるのですが、その記載がないと金属アレルギーを持っている方などは不安に感じるかもしれません。またユーザーによってはケースが厚すぎると感じる場合もあるそうです(時計の厚さは人の好みによります)。
ただし、手ごろな値段のレクタンギュラーケースの時計を探している方にはおすすめの逸品。シックなシルバーケースが落ち着きのある大人のテイストを引き出してくれます。
DWでおなじみのダニエル・ウェリントン(Daniel Wellington)は北欧のカジュアル腕時計ブランド。同社のセントモース(St Mawes) クラシカル36㎜は、優美でシンプルなデザインが印象的です。ユニセックスかつエレガントなデザインで、どんなコーディネートやスタイルにも合わせられる汎用性で高い支持を集めています。
日本製のムーブメントを搭載したローズゴールドのケースが印象的なセント・モースはシンプルで汎用性が高く、その上値段も2万円台と手ごろ。時計の素材にはダブルメッキステンレススチール(316L)が使用されています。時計を初めて購入する人には、セントモースの様なシンプルで手ごろな値段の時計に満足する人も多いことでしょう。
セントモースは日本製ムーブメントを使用したローズゴールドのケースが上品なイメージを醸し出しています。時計を初めてつけるユーザーはシンプルで汎用性が高く値段も手ごろなこのブランドに満足する人が多いのではないでしょうか。
一方で時計にこだわりがあり、ファッションに個性を求めるユーザーにとって、このデザインは平凡すぎるかもしれません。エレガントなルックスでありながらそれ以上の特徴はあまり感じられず、ケースやリューズ、針のデザインは類似しているものが多く見られます。デザインを追求するユーザーにとっては他の同価格の腕時計との違いがないと感じるかもしれません。またレザーの種類など素材について明記されていない箇所が多いのも気になります。
結論としては、手頃な値段で無難な腕時計を考えているならダニエル・ウェリントンのセントモースクラシカル36㎜は最適なモデルです。
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