ヤコブ氏の実績や名声に加え、肝心のデザインも「傑作」の一言です。フィロソファには上質な素材が使われ、職人の技術が細部に盛り込まれています。実際に10万円以下でこのクオリティの時計が手に入ることはほぼありません。10万円以下の時計に難色を示していたコレクター達が魅了されるのも納得できます。フィロソファを見ると、つくりこまれたディテールに目を奪われます。まず剣のようにかたどられたアシンメトリーな秒針は、先端にいくにつれて細くなる形状で非常にユニーク。しかも時針、分針とは違った色にすることで、時間の対比をうまく表現しています。ノードグリーンはシンプルなデザインといわれていますが、単にシンプルなだけではありません。文字盤の大きさ、リューズの形、色などの配置のバランスが絶妙であり、個性的なデザインで完成度の高い仕上がりになっています。
カジュアルウォッチで個性を出そうと思ったらどこか一部を派手にしたり、目立たせようとするのですが、フィロソファにはそれがありません。各パーツの配置バランスや光の反射角度などを計算し、ミニマルな腕時計本来の持つ美しさを最大限に引き出すようデザインされています。非常にシャープなルックスなので日常使いだけでなく、ビジネスユースにも最適でしょう。チーフデザイナーのワグナー氏は秒針のシェイプを「私たちの日常に流れている時間をスライスしている」と表現しています。この時計が10万円以下で購入できるのだから、コレクターも納得せざる得ないのではないでしょうか。
またロンドン在住で、28本以上の時計を集める投資銀行家はフィロソファを同価格帯の腕時計と比べても非常に優れていると賞賛しています。